2010年11月04日

江戸の美人・・・

江戸時代の美人というと、誰もが即座に思い浮かべるのが歌麿の「ポッピンを吹く女」・・・

下膨れで、小さい目、もったりとした鼻に、さくらんぼのような唇。ところが、この顔のはやったのは、

ほんの十年たらず。江戸の二百六十年間を通して、あの顔がモテたわけではありません。

今と同じで、江戸美人にも流行がありました。

当時は、錦絵が、ブロマイド代り(版画技術の向上で大量に出回った)

当時の錦絵の人気で、追ってみましょう。

はじめて登場したのは、江戸笠森稲荷前の水茶屋で働く、お仙という看板娘、

人気絵師・鈴木春信の描く彼女は、抱きしめれば折れそうな手足と、幼さの残る顔の、典型的な

清純派のイメージ・・・

続いて鳥居清長が九頭身から十頭身という、すらりと背の高い健康美人を描いています。

お仙が小鳥のような愛らしさとすれば、こちらは鶴のようなおおらかさがあります。

眉はぐっと濃くなり、妖精のようなはかなさは消え、澄んだ切れ長の目と、愛嬌あふれる口元は、

明るくおきゃんなイメージだそうです・・・

その後くるのが、歌麿です。有名なのは、浅草寺の茶屋の難波屋おきた、

両国のせんべい屋の娘・高島屋お久、芸者の富本豊雛(とよひな)の、寛政三美人・・・

三人の共通点は、おっとりした中にも、見つめる目を見つめ返すような一途さがあって、

「こんな娘と差し向かいで飲んだら、さぞや酒がうまかろう」と思わせたみたいです。

この三人は、そろいもそろって、玉の輿にのっております。

おきたは、大坂の豪商の許へ行き、豊雛は、大名家の側室にむかえられ、

お久は浅草の煎餅屋の大店に嫁ぎました。

それぞれ美貌ゆえに裕福に暮らしましたとさ・・・めでたし、めでたし・・・


明和二年(1765)~
明和三美人の一人、笠森お仙(鈴木春信)
江戸の美人・・・

天明四年(1784)~
健康美女???だそうです・・・(鳥居清長)
江戸の美人・・・

寛政八年(1796)~10年足らず
寛政三美人・左:お久・中央上:豊雛・右:おきた(喜多川歌麿)
みんな、同じにみえる・・・ぷ・ぷ・ぷ
江戸の美人・・・


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この記事へのコメント
おはようございます。

今日もガンバロー

長いので、帰ってから、読みますね~
Posted by バド at 2010年11月04日 08:05
おはようございます。

私は、全部読みました。
みんな、目が細くない?

バドさん、おもろー!
Posted by 万里万里 at 2010年11月04日 08:11
バドさん
おはようございます。
そうですよね、長いですよね、私もそう思ってました。
Posted by かず at 2010年11月04日 09:10
万里さん
おはようございます。
みんな、細いですね、
筆では、書きにくかったのかも…です。
Posted by かず at 2010年11月04日 09:13
おはようございます
はじめまして 

すごーーーく おもしろいです‼
さっきから 読んでて 仕事時間 始まってる
のを忘れてました。(^_^;)
続きは またお昼休みに・・・♪
Posted by テンコテンコ at 2010年11月04日 09:26
美人は生涯賃金も高いそうだし、結婚も就職も有利。
よい思いも沢山するそうな・・・♪
江戸も似たようなものですねぇ~
美人の定義ってなんなんでしょうね(*^о^*)
何より、自分に自信がある人って、素敵にみえちゃいますよね。
身なりや立ち居振る舞い、姿勢、家柄、学歴・・・見た目をカバーできるものも色々ありますが・・・
私の場合、人に流される傾向あるかも(^_^メ)
Posted by FumyFumy at 2010年11月04日 15:41
力作をありがとうございます。
細い目は技法の問題なのか?それとも実際細い目の人が美人とされたのでしょうか?
現代の美人さんが江戸にいても普通の人ですか〜?
Posted by こうちゃん at 2010年11月04日 19:12
テンコさん

ありがとうございます。
お昼休みまで、読んでくださったんですね、
これからも、宜しくお願いします。
Posted by かず at 2010年11月04日 19:24
Fumyさん

そうですね、自信を持ってる女性は、素敵です。

当時の美人・・・というか女性・・・

江戸の女性の判断基準は、容姿・・・だけでした。
(今では、考えられない事ですが・・・)

女性に、人権が認められない時代です。

「めでたし、めでたし」なんて書いてしまいましたが、

なにが、幸せか・・・?

大名家の側室になって、衣食住が、豪華になっても、

外出できるのは、親の墓参りくらい・・・

とても窮屈な暮らしだったのでは、と思ってしまいます。
Posted by かず at 2010年11月04日 19:42
こうちゃん

正直謎です。

江戸以前の美人画も結構目が細いですし・・・(伝統かも・・・)

本来、日本は、島国で、江戸は、鎖国の時代・・・

西洋的な彫りの深い女性を見る機会があまり無く、

目のおおきな、女性を美人とは、思わなかったの

かも知れません・・・

(私の勝手な解釈ですので、聞き流してください)
Posted by かず at 2010年11月04日 19:52
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    コメント(10)