2010年12月27日

ケーキもいいけどね、たまにはヨウカンなんてどう・・・?

ケーキもいいけどね、たまにはヨウカンなんてどう・・・?

羊羹をすなおに食って睨まれる     (江戸川柳)

羊羹の本家は中国で、遣唐使により日本にもたらされた。

その羊羹は、すなわち羊の肉や肝の羹(スープ)だった。当時の日本は、仏教一色で、

肉食はかたく戒められていた。そこで、赤小豆の粉に、小麦粉、葛粉、すりおろした山芋をあわせ、

羊の肝に似せてこねて蒸しあげ、汁にいれた。これがのち、砂糖とむすびつき、

和菓子の「流しもの」、棹羊羹に化ける。

庶民にとっての羊羹は、もてなしの茶菓子の王座にあり、客に羊羹をすすめるのは、

下へもおかぬ大歓待の表現だ。客の格により、羊羹の厚みがことなってくるわけで、

自力で立っていられず、パタリ皿にはりつく透けそうなのから、香箱ほどもある重量級まで

さまざまに供された。これはハレの「睨み鯛」と一緒で、数日、箸をつけず飾って、

眺めるだけで食事するように、まず客は、おしいただいて茶を服し、手をつけず辞去するのが

暗黙の礼儀だ。羊羹は再び戸棚にしまわれ、つぎなる客の到来まで待機する。

度重なると、羊羹の周囲が変色し、砂糖の薄氷が張るようになる。

そうなれば、渋茶の友として、亭主の夜長をなぐさめ、つとめを終える。

後続の一切れも、末永く長命たらんことを亭主は祈るのだが、運悪く、素直な客に、

ぱくりとやられることもある。

「おのれにっくきやつ、どうしてくりょう」と歯噛み。

(by杉浦日向子さん大江戸美味草紙より)



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Posted by かず at 17:31│Comments(6)江戸川柳
この記事へのコメント
最近になって、ようかんも好きになってきました。

栗が入っているともっと好きです。
Posted by バドバド at 2010年12月27日 18:29
羊羹って珍重されていたんですね!
元は肝だったなんて・・・なるほどテリーヌみたいな感じでしょうか?
凄く勉強になりました(*^о^*)
私は厚切りの羊羹より、薄い方が好きですがお客様には厚切りでもてなした方が良いようですねぇ。
日本の御もてなしって、「どうぞ」と勧められても食べちゃいけなかったり。
「つまらないものですけど」と言って高価なものをお出ししたり。
わび、さび、風流など独特の世界感があったりもして、難しすぎますぅ~ (>_<)
Posted by FumyFumy at 2010年12月27日 19:27
あー、訪問して出されたようかんって食べちゃだめなんですね
びっくり

そういう暗黙の了解って京都のぶぶづけでもどうどす くらい
かと思ってました
Posted by ゴンベ at 2010年12月27日 22:49
バドさん
ヨウカン、大好きです。栗入り最高ですよね(^-^)
Posted by かず at 2010年12月27日 23:27
Fumyさん
…こういうことが、日本人の、奥ゆかしいところに、繋がるのかは、微妙です…が、遠慮することが、美しく感じる事も、確かにありますよね(^-^;
Posted by かず at 2010年12月27日 23:32
ゴンベさん
食べちゃだめ…
って事は、無いと思います。…が、昔はね、何しろ、対面が、全てで、
遠慮する、道徳があったわけですね…わかりにくいですよね(^-^;
Posted by かず at 2010年12月27日 23:41
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