砂糖・・・おはようございます。

かず

2010年11月29日 07:37



生薬屋(きぐすりや)つぼから出して泣きやませ    (江戸川柳)

この句は、薬屋さんの店先のスナップ。薬好きの子供はいない。

とかく良薬口に苦しで、いやいやをしている。が、薬屋さんが、つぼからあるものを

ひとつつまみ出したとたん、泣く子もだまり、飲む気になった。

その、あるものとは、砂糖である。

江戸の頃、砂糖は薬屋でうられていた。かつては、病気にでもならなければ嘗められぬ貴重品で、

体力の衰えたものに服用させる薬であった。

 庶民にとって、甘いものといえば、蜂蜜、干した果実、麦もやしを煮詰めた麦芽糖(水飴)

甘藷(サツマイモ)、甘粕くらいのもので、砂糖は高嶺の花だった。

 江戸期の料理本には、「甘味」に「うまみ」とカナがふってある。甘いイコールうまい

という感覚であり、なべて甘味は不老不死の仙薬と信じられていた。

(by杉浦日向子さん・・・大江戸美味草紙より)



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