江戸幕府の台所事情①・・・
家光の浪費による経済効果その一
徳川家康は天下を統一するとともに、全国のめぼしい金銀鉱山を一手に押さえた。
時あたかも日本はゴールドラッシュを迎えた。
大量に掘り出された金銀はことごとく幕庫に収まり、金銀がうなっていた。
お金の持ち主という事で区別するなら、開幕当初、徳川家と幕府は未分化で、
金は幕府というより徳川家に帰属した。
比較する材料をもちあわせていないから断定はできないが、
そのころ徳川家は、世界一の大金持ちだったのではないか・・・
三代将軍家光が、相続した遺産は、おおよそ千五百万両といわれている・・・
現在の価値に直すと二兆円を軽く超える・・・ただし、それはあくまでも一両を15万円とした場合だ。
当時の幕府の年間支出百五十万両の10倍・・・
現在の国家予算を10年間無税でまかなえる金額と考えると恐ろしい金額になる。
しかも家光に代替わりした当初は、金も銀もまだまだ産出されていた。
ひょっとすると、ゴールドラッシュはずっと続くという錯覚を家光はもっていたのかもしれない。
「入るを量りて出だすことを為す」。収入の枠内で支出を考えるべきだという財政の基本に、
とんと無頓着だった。それどころか、家光は幕庫にある金銀をおしげもなくつかう
桁外れの浪費家といっていいほど・・・つかいまくった。
・・・つづきは、次回
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