江戸の武士とは・・・③・旗本

かず

2010年12月07日 07:44



まずは、大名から・・・なんて言っておきながら、気がつけば二週間も過ぎておりました・・・
(これは、昔の飲み会で武士の話を熱弁したあげく、すっかりういてしまった苦い経験によるものです
どうぞお許しを・・・)

旗本は、将軍の直臣でおおむね知行百石以上のことを言う(将軍に拝謁できた)

俗に旗本八万旗と言うが、これは大げさな表現で、実際には旗本が五千人、

御家人が一万四千人ほどだった。(八万旗とは、家来や使用人も含めてだと思います)

旗本は、徳川家臣団の中核だったから、「直参旗本」と称し、非常に高いプライドを持っていた。

彼らに対しては、大名でさえ遠慮することもあった。

ただし、旗本すべてがそうではなく、旗本のうちでも、家格の高い者がそうした意識を

持っていたのである。

旗本の家格のうちで最も自負を持ち、優遇されたのは、「両番家筋」の者で、「大番家筋」の者がそれに次いだ

両番とは、将軍の身辺を警護する軍事組織である書院番と小姓組番の二つの「番」を指す。

代々、これら番に配属される家を「両番家筋」と称したのである。

大番は、徳川家の軍事組織の中核で、両番に次ぐ「番」だった。

「大番家筋」の旗本は、おおむね知行三百石以上で、騎馬の格である。両番と大番の差は、

将軍との距離の差による。

次いで、「新番」、徒士格の旗本である小十人組があり、これらを総称して「五番方」と言った。

その他に、役職に就かず、番にさえ配属されない「小普請」の旗本がいた。



旗本(有名人)

長谷川平蔵宣以(鬼平犯科帳)*実在
家格(家柄)・・・両番家筋
役職・・・書院番士→徒頭→先手弓組組頭(弓二番手)→火付盗賊改
禄高(知行地)・・・四百石(家禄)→千五百石(役高)
官位・・・布衣(六位相当)
殿中席次・・・躑躅の間
特権・・・両番家筋(書院番、小姓組番)は出世はしやすい。
補足・・・火付盗賊改は、先手の組頭から選ばれたが、出費が多く、出世しにくく
はずれ役だった。
ちなみに鬼平の息子うっかり者の辰蔵は、父よりはるかに世渡り上手で、
従五位下山城守に爵任している。


遠山金四郎景元(御存知、遠山の金さん)*実在
家格(家柄)・・・大番家筋?(父(養子)の実家が両番家筋だったのでそれなりに優遇された)
役職・・・小納戸・小納戸頭取→小普請奉行→作事奉行→勘定奉行→北町奉行→大目付→南町奉行
禄高(知行地)・・・五百石(家禄)→三千石(役高)
官位(極官)・・・従五位下左衛門少尉(じゅごいのげさえもんのじょう)
殿中席次・・・桔梗の間
特権・・・大番家筋は、両番家筋(書院番、小姓組番)に次ぐ家格でしたが、出世はしにくい。
補足・・・金さんは、小納戸『将軍や、大御所の雑務をする職』という比較的出世しやすい役で、
 出世の道をきりひらいたようです。)

前回の「大名」編にのせた大岡越前の家も「両番家筋」です。

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