江戸時代の旅費・・・お伊勢参り
江戸時代に旅をすると言えば、お伊勢参りですね、
文化4年(1807年)、武蔵荏原郡太子堂村(現在の東京都世田谷区)庄屋の森次左衛門さんが、
伊勢参りをしたときに使ったお金の記録を、『旅金小遣覚帳』という名で残しています。
とても「まめ」というか、貴重な資料です。
・・・正月19日(出発は小正月くらいでしょうか?)
昼の弁当 64文(1,600円)、
小休み(船待ちの小休止) 84文、(2,100円)
あんま32文(800円)、あんまへ駄賃 12文(300円)、
大井川船賃 232文(5,800円)、
旅籠(金谷宿あたり?=現在の静岡県島田市金谷) 200文(5,000円)、
あんま32文(800円)、同駄賃12文(300円)、
1日の合計 668文(16,700円)
・・・正月20日
小夜中山あめ餅 10文(250円)、*小夜中山=静岡県掛川市佐夜鹿(さよしか)に位置する峠
昼の弁当 116文(2,900円)、
小休み(日坂宿で小休止?) 32文(800円)、
ほん 16文(400円)、
半紙 24文(600円)、
草鞋(2足) 24文(600円)、
旅籠(掛川宿?=現在の静岡県掛川市) 172文(4,300円)、
その他色々 272文(6,800円)、
1日の合計 666文(16,650円)
伊勢神宮へお参りした後、大坂・京・善光寺を経て、47日間の旅でした。
(47日・・・東海道中膝栗毛と比べると少しスローペースのように感じますが、
京、大阪でゆっくりしたんでしょう)
総費用は4両と695文(27,895文)=697,375円
1日平均約590文(14,750円)となります。
注意:一両=6000文=15万円で計算しています。
ちなみに江戸~京間往復で旅費がおおよそ四両といわれていましたので、
おおむね、予算どおりの旅だったのではないでしょうか。
現在、同様の観光旅行をすると、3泊4日で10万円くらいでしょうか
(交通費3万、宿泊費5万、その他2万円)
ツアーだともう少し安く行けちゃいますね。